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囲碁倶楽部会員の鉢の木さんのエッセイを転載します。 『皆に教えてもらいながらここまで来たのだから 自分の蓄積してきた知識を皆に公開していきたい』とのことでした。 私も教えていただいた一人として 感謝に耐えません。 ◆悪手退治 ◆鉢の木 ◆13年03月29日 00:15 置き碁は右脳で打ち、互先の碁は左脳を使わねばならぬ、と書いた。 置き碁は考えなくとも良いから疲れないと書いた。互先は考え数えなければならないから疲れると書いた。 これは偉ぶって書いているわけではない。置き碁の下手が打つ悪手は、一手、一手すべて私がまだ弱い時にさんざん打った手であるからだ。 碁を覚えるとまず仲間同士で見よう見まねでへぼ碁を打つ。 これはまっさらなキャンバスに落書きをするようなものだ。 この経験はしっかりと潜在意識に叩き込まれ後で修正するのにえらく苦労する。 その次の悲劇は教え魔の初段くらいのお爺さん。正しい定石を教えてやるからとしっかりとツケノビ定石を教え込まれた。 ツケ押さえを打とうものならそうではないと叱られる。 ツケノビ定石が悪いのではなく、石の位置が一つ違えば最善の手は別にあるということを否定する考えが間違っているのである。 身についた悪手を打ってしまうくせを矯正するのに50年かかってもまだ十分でない。 始めについた悪い癖はとにかく抜けない。 一つ一つ直してゆくのにどれだけ時間とお金がかかったことか。 プロに打って貰ってとことん自分の記憶を訂正した。 置き碁で疲れないのは黒さんが打ってくる手は皆、私が悔し涙とお金をかけて捨ててきたイモ筋なのである。 これは考えるまでもなく、繰り返し繰り返し学習してきたことだからどう打てばその悪手を咎めることが出来るかすぐわかる。 碁は序盤の20手で悪手を打たない相手は自分より強いと思って、ほぼ間違いない。 そういう相手と打つのは疲れる。 負けた碁を教材にするのが、一番の上達への近道と書いたことがある。何故負けたか、敗因を徹底的に調べる。間違った石の運びを二度と打つまいと決心する。自分で3日かけても分からなければ強い人に訊く。正しい筋を教えてくれる人は「カネのわらじ」で探さなければいけない。アマ高段者と云えども信用できない。アマに尋ねる時は少なくても3人が3人同じ答えでないとダメだ。 最初から正しい師匠についていればこうまで苦労しなくてもよかったのにと時々思う。 自分の悪手を矯正するのにはとにかく「時間とお金」がかかる。一度ねじくれて成長した樹を真っ直ぐにするのは大変なことだ。 私が五段位のころいろいろ教えてくれたお師匠さんは「教え魔」であつた。手書きの定石集や手筋集を頼みもしないのに作ってくれた。ワープロの無い時代大変な手間であったろうと思う。 秀行先生のお弟子さんで、「どう打つべきか」で悩んだ時、秀行先生に聞いてきてくれた。その内、直接聞きなさいということになって、秀行先生に教わるようになった。だから私は秀行先生の孫弟子だと思っている。 「君が強くなったら人に教えるのだよ。教えることは教わることだ」と云った。私がフォーラムにあれこれ書いているのもこの一言のせいである。 悪手退治をよほど決心して取り組まないと、すぐにひよっこり顔をだす。打ちなれた手を打つのが快感になっているのである。 丁度、麻薬中毒患者が麻薬を断つのに似た苦しみである。
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